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サワムラ×イチドウ vol.3 「スカした感じ」
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[イチドウ]:ははは。がんばれがんばれ。でもさ、好きなものはいいとしてさ、おまえ自身はスノッブな会話をよくするわりに、「スカシた」感じってのをヤケに嫌うよな?スカした感じって例えば、映画とか音楽とかだと何?
[サワムラ]:うーん。この話は敵を増やすからなあ。いやあ、好きな人が多いんだよな、わりと。端的に言うと、映画の「レオン」。
[イチドウ]:ほう。どこが嫌なの?
[サワムラ]:いや、スカしてんじゃん。なんかさ、「全力だしてません、それでもこんなにクールに決まってます、このぐらいの影があったほうがかっこいいでしょ?」っていう雰囲気がね。結構堪えがたい。
[イチドウ]:ははは。製作者がそういう風に視聴者をバカにしてるような気がするわけだな?いや、ふつうにナタリー・ポートマンはキュートだし、なんていうか、ジャン・レノがさ、ちょっと学がない雰囲気をよく出してて、結構名演だと思ったよ、俺は。
[サワムラ]:好きな人が多いのは別にいいんだよ。ただ、もっといい映画はいくらでもあるのに、騒ぎすぎな気がするんだよな。あ。騒ぎすぎとかは嫌いな要素かもな
[イチドウ]:ああ、なるほどね。それは分かるわ。俺も嫌いだ、「騒ぎすぎ」。あれ、何が嫌なんだろうか?
[サワムラ]:騒ぎすぎが嫌いってのは、騒がれてるモノより、騒いでる連中のほうが嫌だよなあ。うーん。なんか、主体性のなさみたいなものに対する嫌悪感じゃないかな。ほら、ワールドカップってあったじゃん。
[イチドウ]:今でもあるぞ。
[サワムラ]:あ、そうなんだ。なんかさ、ずっとサッカーが大好きだって言ってた奴がさ、ああいうときにもう、狂ったみたいに大騒ぎしてるのはさ、観ててスガスガしいんだよ。俺はそういう奴を観察するのは大好きなんだ。でも、お前サッカーなんて好きだったっけ?っていうか、そんなに日本とか好きだったっけ?ってね。
[イチドウ]:たしかに主体性のなさ、ってのには嫌悪感を感じるよなあ。システムに対する嫌悪感なのかな?村上龍じゃないけどさ。でもま、俺は「海外で活躍している日本人」ファンだから、ワールドカップとかは好きだな。
[サワムラ]:でも、ワールドカップ騒ぎで、サッカーに対しては悪い感情は別に生まれなかったなあ。なんでレオンが騒がれると気に障るんだろう。
[イチドウ]:ジャン・レノ、好きじゃないんじゃない?
[サワムラ]:別にそんなことはないよ。「グラン・マスクの男」、最高でした。
[イチドウ]:そうか。ワールドカップは元気だから、許せたんじゃん?
[サワムラ]:レオンは元気ないって認めてくれるのかい?
[イチドウ]:いや、あれはもともと元気はないよ。だって、死がテーマの一つみたいな感じじゃん。
[サワムラ]:そうかあ?それは死をテーマにしている映画に失礼だろう、って、ああ。なんで俺、こんなにレオン嫌いなのかなあ?実はさあ。多少は好きになる努力とかしたんだぜ?結構仲のいい友達がみんな好きだって言ってるしさ。
[イチドウ]:俺も結構好きだなあ。うーん。じゃ、合わないってことで諦めるしかないね。
[サワムラ]:合わない理由は「スカしてるから」でいいのかな?
[イチドウ]:スカしてるって言うのは、「全力だしてません、それでもこんなにクールに決まってます、このぐらいの影があったほうがかっこいいでしょ?」っていう雰囲気っていう定義でキマリね。他にはどんなものがあるよ。スカし。
[サワムラ]:うーん。これも好きな人多いから、すっげえ言いにくいんだよなあ。まあ、ほら、アレ。ウタダヒカル。
[イチドウ]:うーん?どこがスカしてるのか、さっぱり分からんなあ。別に俺は嫌いじゃないぞ。17歳の女の子が頑張って歌ってるって感じじゃん?ファーストアルバムとか。
[サワムラ]:そうかなあ。全力出してない感をむしろ前面に押し出すことで、天才っぽさをアピールしている感じがするけどなあ。
[イチドウ]:うーん。結構声を出して歌ってるとこも多いと思うけどさ。じゃ、あれかね。R&B、全般が嫌いだろう?
[サワムラ]:21世紀になってから流行り始めたR&Bは全般に嫌悪感を覚えるね。嫌ならお前ら歌うなよ、って思う。
[イチドウ]:うわあ。お前、一般化しすぎだよ、それは。ガツっとくるR&Bもあるって。
[サワムラ]:そうかい?じゃあ今度聴かしてよ。ガツっとくるやつ。
[イチドウ]:いいの探しとくよ。なるほどね、スカしねえ…。俺はアレだな。ギャグにできない水準のこてこてが嫌いだな。
[サワムラ]:ああ。恥ずかしいやつね。ギャグにできるコテコテさとかは、俺の最も好きな部類なんだけど、そこは一致してるのかな?
[イチドウ]:そうだなあ。俺が思うに、一番すげえのは本人もそれを狙ってやってることなんだけどさ、まあ、それはそうじゃなくても、面白けりゃいいやっていうのは、ある。
[サワムラ]:石原軍団とか?
[イチドウ]:そうそう。オザキとか。♪何のためーに生きてるのか分からなくなるよー♪
[サワムラ]:分からないんじゃなくて、分からなく「なる」ってのが相当ですな。あとは何だろう?
[イチドウ]:ははは。キッカワコウジとか、そうとうかっこいいぞ。
[サワムラ]:最近ではぶっちぎりでオシオ様でしょう?
[イチドウ]:オシオ先生は凄いですね。オシオ先生、最近、「俺はもうオザキユタカを超えている」、とかいってたよ。
[サワムラ]:「祝GET」ですからね。愛されとりますなあ。もっと狙ってるのがはっきりしてるところでは、氣志團とか、マツケンサンバとかだよなあ。タニムラシンジもそうかな?
[イチドウ]:タニムラ先生のことは、言いますまい。「谷村、アミーゴ」で検索してみてくれ。
[サワムラ]:国際的には?結局マイケル?
[イチドウ]:そうなるな。
[サワムラ]:で?ギャグにならないってのはどういうの?
[イチドウ]:ヒカワキヨシ。
[サワムラ]:完全なるギャグじゃん。なんでギャグにできないの?
[イチドウ]:いや、アレはできないよ。本人が歌いたくない感じが丸出しに見えるんだが。なんでそう見えるんだろ?
[サワムラ]:そうかあ?本当は歌いたいくせに、わざとつまらなさそうに歌う連中に較べたら、本当は歌いたくない演歌をあれだけの笑顔で歌う氷川きよしは、俺は好きだけどな。
[イチドウ]:なんかつらそうにみえるんだよなあ。でも。俺さあ、一回聴いてみたいんだよね。ホントはどんな音楽が好きなの?って。
[サワムラ]:きっと笑顔で演歌って答えるよ。俺ならそうする。って、どこに感情移入してるんだ?俺。
[イチドウ]:ああ、なるほど。きっとそう答えるだろうね。握手して帰るしかないな。すげえやつだなあ、ヒカワは。
[サワムラ]:でも、結構これは結構核心をついた好みの差だよ。俺は好きなものを好きだと全身で表現しない奴が嫌い。お前は嫌いなものを好きだと偽る奴が嫌い。
[イチドウ]:確かに嫌いだけど、そんなやつ、あんまりいないよな。それの代表がウタダヒカルとヒカワキヨシかあ?それはどうだ?
[サワムラ]:確かに、会ったこともない奴の嗜好を勝手に推測してるだけだなあ。うーん。ひどいことをしてしまいました、ゴメンなさい。でもおかげでボクたちは、自分が何が嫌いなのか、より深く分かることができました。ありがとう。
[イチドウ]:うーん。弁解の余地がないな、もう。
[サワムラ]:というわけで、こんどお前の誕生日にはヒカワキヨシをプレゼントするよ。聴けよ。
[イチドウ]:そうします。じゃ、お前にはウタダヒカル全集を。あ、そういえば、ウタダ、レオンのメインテーマのフレーズをパクッたとかで、ネットで噂になってたなぁ。訴えられたとかなんとか。ほんとうかなあ。
[サワムラ]:うわあ。完全世界だ。それだけは俺にプレゼントしないでくれよ。
[イチドウ]:いや、その曲だけはプレゼントするよ。
[サワムラ]:なんか、まるで俺が演歌好きで、お前がR&B好きみたいに誤解されそうだな。一応いっとくけど、俺が好きな音楽は別に演歌じゃねえぜ。
[イチドウ]:俺もR&Bじゃねえけど、演歌は無理だわ。いろんな歌を聴いてるうちにさ、語尾を歌い上げる歌い方っていうのが「萎える」っていう風に変わってきたんだよな。なんでだろう?要は安っぽいラブストーリーのラストシーンみたいになっちゃう。多分アーティスト側もその部分を分かってて、要は「けだるい歌い方」とかラップに代表される「キレのある歌い方」とかに移行してったんだと思うんだけどさ。演歌なんかはどの曲聞いてもキツイよなあ。常に萎えるんだけどラストがとくに萎える。
[サワムラ]:俺もさあ、基本的にずっと演歌をバカにしてたんだけどさあ。最近なんか、若い人間の慣習として演歌をバカにしているような気がしてきたんだよ。よく考えてみると、嫌いな要素あんまりないじゃん、っていうか、意外と好きになるかもしれないぞ、これは、っていう感じになってきた。たぶん近い将来に、俺、演歌聞くようになると思うわ。
[イチドウ]:あああ。確かにそう言われて見ればおまえが好きな音楽って演歌の要素かなりあるわ。すきになるな。それ。
[サワムラ]:この調子でしゃべってたら自分が何好きなのかわからなくなっちまう。好きな音楽の話もしようぜ。


【2005/09/29 23:28】 カテゴリ:焚火トーク
サワムラ×イチドウ vol.2 「アートなこころざしって何よ?」
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[イチドウ]:俺が好きなエンターテインメントはやっぱりマンガだなあ。俺、今でも将来の夢は漫画家だからさ。
[サワムラ]:おまえ常にマンガ読んでるもんな。俺もわりと好きだけど、あんまりマンガは買う気がしないんだよな。500円ぐらいで買って、2時間もかからずに読み終わるじゃん。なんか損な気がするんだよ。読みにくい哲学の本とか、同じ500円で買っても、2ヶ月ぐらい楽しめるからなあ。
[イチドウ]:俺は同じマンガを1日3回くらい30日間読めるから、損得はおんなじだと思うよ。
[サワムラ]:そういや、常に同じマンガ読んでるな。俺はどうかな。同じ小説何回も読むかなあ。読むなあ。やっぱり、何度も読んだり見たりしちゃうものが、本当に好きなモノなんだろうか。
[イチドウ]:そうだな。そうだと思うけど色々、あるんじゃん?好きの種類は。ちなみに俺が同じマンガを読んで一番面白いと思うのはその先を想像することだけど。
[サワムラ]:それは分かる。でも、想像の域を越えない続きが多くない?俺が想像してた話のほうが面白いじゃねえか、っていうかさ。映画の2とか3とかってそういうのが多かった気がする。
[イチドウ]:マトリクスとかな…。でもさ、連載マンガにはそれは少ないと思うんだけど。何しろ作者が考える時間が読者より多いじゃん。
[サワムラ]:そうか。俺、たぶん連載ってのが基本的にあんまり好きじゃないんだわ。モノのつくり方としてさ。俺は本でもマンガでも映画でもサーカスでも、作ってる人の作ってるときのドキュメンタリーみたいなものを、勝手に想像しながら味わうのが大好きなんだけど、連載って、その意味では一発入魂の作品よりも、ドキュメンタリーとして、一歩どうしても劣っちゃうんだよ。俺の想像の中で。
[イチドウ]:そうかなあ。それ以上に内容が濃い作品が多いと思うけどな。ハンター・ハンターとか凄いじゃん。
[サワムラ]:あれは連載じゃないでしょ、もう。
[イチドウ]:いや、同じだろ。ベルセルクとかガンムとかも内容が凄いから他のことはあまり気にしてないんだけどさ、俺は。
[サワムラ]:今出たマンガは俺も全部好きだけどさ。できれば完結してから一気に読みたいね。
[イチドウ]:なるほど。その気持ちはわかる。漫画家って完成前に死んでもらうと、とても困るよ。火の鳥大地編、読めるんだったら俺はキョンキョンと寝れなくても良いや。
[サワムラ]:何それ?キョンキョン?
[イチドウ]:いやね、1億円あったら何をするかっていう話、よくしたでしょ、高校生のときとかさ。あれで、色々アイデアでたんだけど、クラスメイトの一人が、「俺はキョンキョンと寝る。」って言いだして、全員完敗だよ。
[サワムラ]:なるほど。つまり、青少年の普遍的な夢というわけだな。そして、その普遍的な夢をも超える価値が火の鳥大地編、ってことか。
[イチドウ]:そういうことですな。
[サワムラ]:確かに未完で死なれるのは困るね。俺はカムイ伝のことが心配だよ。
[イチドウ]:ああ。アレはやばいな。ああいう作家にはさっさと冷凍冬眠してもらわないとねえ。
[サワムラ]:それじゃ、俺はいつ読むんだ。俺も冷凍されるのかよ。
[イチドウ]:ほんとだ。だめじゃん、これじゃ。どうしよう。
[サワムラ]:続きを誰かがちゃんと引き継げばいいんだけどな。サクラダファミリアみたいに、人類のプロジェクトの一つにしちゃうんだ。
[イチドウ]:でもさ、それが出来ないから「手塚治虫」なんだと思うんだけどさ。
[サワムラ]:偉大さのレベルが違うね。ワードで「おさむ」で変換して、「治虫」が出るんだぜ。あ、ワードで一発で変換されるってのは「超一流」の証らしいぜ。
[イチドウ]:ほんとかなあ。ちなみに井上陽水も変換できるらしいよ。
[サワムラ]:うーん。プログラマーがファンだったのかな。謎すぎ。
[イチドウ]:未完の大作だけどさ。「銀河鉄道の夜」、どの辺が未完なのか分からないんだけど。
[サワムラ]:未完なの?あれ?お前が言ってるのは999のほうじゃなくて?
[イチドウ]:いや、宮[サワムラ]賢治だよ。
[サワムラ]:未完じゃないよ、あれは。だってその後にも何作も書いてるじゃん。
[イチドウ]:いや。宮[サワムラ]賢治が世の中に認められずに死んでいったことを忘れてはいかんよ。
[サワムラ]:ああ、書きたかったけど、書いても売れないと思ったから、別のを書いてたってことか。でも、そういうのって「未完」っていうかなあ。あのさ、映画でよく「完全版」ってあるじゃん。ああいうのって何が完全なのか、俺にはさっぱりわからんのよ。いろんな限界が最初からあって、その中で本気で作品を作って、世に送り出してるんじゃないのか。それを、あとから「完全版」とか出すのは、最初に出た作品に対して失礼だろう。
[イチドウ]:いや、監督とかはもともと3時間くらいにしたいらしいんだが、商業的な側面からスポンサーが時間を制限したりするらしいんだ。要は3時間ものを2時間にまとめるだけで、観客動員数は1.5倍になるからさ。
[サワムラ]:うーん。だから、そこまで含めて、作品だと俺は思うんだがなあ。本だってマンガだって、そういう制約はあるでしょ。でも、ボツ原稿を読みたいとは思わないでしょ?
[イチドウ]:俺は好きな作品のボツ原稿読みたいけど。
[サワムラ]:そうか。そういう楽しみ方をしてるやつもいるのか。なんか意外だ。それじゃあボツ原稿とかカットされちゃったシーンとかをボツにしたりカットしたりしたときの濃密な時間が、すごくもったいないような気がするんだけどなあ。
[イチドウ]:お前はそこのことをドキュメンタリータッチで想像してくれ。
[サワムラ]:いや、してるから思うんだよ。映画観てて、今見ているのは一部なんだ、監督の見せたかったシーンが入ってないかもしれないんだ、とか思いながら観るのは、いいものだよ。
[イチドウ]:ちなみに、俺自身は「完全版」への思い入れは全くないよ。
[サワムラ]:そうか。たぶんお前ぐらいが普通で、俺が「完全版」を嫌いすぎなんだろうな。で、未完の話だよな。そもそも「完成」ってなんだろうって話じゃないかな。俺は絵を描くじゃん。絵ってさ。どこまで描いたら完成なのか、自分で決めないといつまででも描けるんだよ。あ、絵以外でもそうかな。作曲とかどう?
[イチドウ]:作曲は作り始めてしばらくすると完成のイメージが沸くんだ。そこにたどり着いたら止める。俺の場合。
[サワムラ]:俺も絵を描く時は、完成形のイメージはあるんだけど、完成形はイメージなわけで、目の前の絵は実体なんだよ。で、実体に容易にイメージは左右されがちなんだ。
[イチドウ]:それはあるな。
[サワムラ]:そもそも、そんなにアートな志が俺はあるわけじゃないから、なおさら最初に自分がもってたイメージを軽視するというか、今目の前にある絵を重視しちゃうんだよ。あ、お前ってアートな志とか、ある人?
[イチドウ]:アートなこころざしって何よ。
[サワムラ]:なんていうか、芸術家魂っていうかさ。世界に向けてその媒体を使って表現して、残したいものがあるか、っていうこと。
[イチドウ]:うーん。芸術家魂ねえ。ポリシーをもって作品を作ってるアーティストは多いと思うけど、一般のオーディエンスがそこまで理解できているとは、俺にはどうしても思えないんだよ。もちろん分かる人はいると思うけどさ。だから、全然気にしてないなあ。昔はあったかもしれないけどさ。
[サワムラ]:こういう実験をしたことがある。ステージでね、ギターもって歌ってるときだったんだけど、その場で適当に歌詞を作って「喉が渇いた~水が飲みたい~ウーロン茶ならなおさらよい~」みたいなことを歌ってみたんだ。でも、だれも水くれねえんだよ。俺はあのとき思ったね。メッセージは歌に乗せない方が伝わる。
[イチドウ]:俺がその場にいたら水持ってってたろうに。オーディエンスはそんなこと期待してないんだよね、つまり。いや、でもさ。それはつまりアーティストの伝える力が弱いんじゃねえか?あ、アーティストとオーディエンスの関係によるかも。例えばキヨシロウを好きな人たちって、そうとう真意を理解してそうな気がしない?
[サワムラ]:よくステージ上から「おい、そこの女、マタ見せろマタ」とかいってるよなあ。「おめえじゃねえよ、おめえはくさそうだからいいよ、そのとなり、そこの女だよ」とか。真意、分かる?
[イチドウ]:いやいや、それは作品じゃねえじゃん。いや、ステージ全体が作品とも言えるか。おもしろいからアートとして成立してるんじゃん?あー。なんかアート、アートって萎えてきたなー。キヨシロウが聞いてたらオメエはくさそうだからだまっとけっていわれるよ、きっと。
[サワムラ]:今思い出したけど、これ言ってたの、キヨシロウじゃないわ。ゼリーだ。別人だ。
[イチドウ]:あ。ごめんごめん。ゼリーだよね。いい作品作ってるよ。やっぱり。
[サワムラ]:マンガにもどるけど、マンガでアートな志みたいなのを感じるのってある?
[イチドウ]:荒木飛呂彦とか?
[サワムラ]:ああ。なんかわかる。でもさ。何を世界に向けて、あの表現方法によって、残したいと考えているのか、伝わってる?
[イチドウ]:言葉にできそうもありませんね。
[サワムラ]:言葉にはできないけど、オマエ的には、何か感じ取っているのか?ちなみに俺は面白いから読んでるんであって、そういうのは正直、特に感じないんだが。
[イチドウ]:あの絵は、うーん、とにかく変。っていうか、荒木は変態なんじゃないかということを読者に思わせる力があるぞ。それは真意じゃねえと思うが。
[サワムラ]:変であることを悪だと決めつけるな!俺は楽しくやってる上に、成功もしているぞ!ってなノリ?
[イチドウ]:変態性を強調してるわけじゃないとは思うんだけど、にじみ出てるしなあ。もちろん、あれ系がだめな読者もいっぱいいるわけだろうし。でもこれだけ考えさせる力はあるよね。絵自体に。
[サワムラ]:あんましピンと来ないなあ。他には?
[イチドウ]:矢[サワムラ]愛の描く作品には、「世の中のファッションセンスを上げてやろう」的なものを感じるけど、どう思う?そこまで押し付けはないけどさ。
[サワムラ]:ふむ。なんで世の中のファッションセンスを上げたがっているのかも伝わってくるような何かかな?それ。それなら文句なしにアートな志だと思うけど。
[イチドウ]:作者がイケテルと思っている世界を広げようとしているのは感じるんだよな。しかも、センス良いから嫌味じゃねえし。結局力量と作者と読者が何を望んでるかにかかってるな。[サワムラ]:その志には、マンガという媒体はすごく適しているな。絵がうまくて、ファッションセンスのいい人が、そういう志で作品を創るのは、世界にとっていいことだ。他には、どんな志がマンガという媒体に適しているかなあ?思想色が強いマンガってあるじゃん?江川達也とか、小林よしのりとか。池上遼一もそうかな。ああいうのってさ、マンガっていう媒体に適してるかなあ?
[イチドウ]:難しいトコだな。マンガは読者の層がどんどん広がってきてるから、主義思想を伝えるのには基本的に悪いツールじゃないと思うんだけどさ。
[サワムラ]:そう、そこよ。マンガをツールだと思ったら、もうそれはアートな志じゃないでしょ。それは思想的な志であってさ。
[イチドウ]:なるほど。矢[サワムラ]愛に関してはファッション自体もアートとして見れるからあんまり気になんないのかな。それはおいといてもさ、今上がったどの漫画家にも人間ってすげえんだぞ、っていう主張はバリバリ感じるけどな。
[サワムラ]:途中で思想が変わっちゃう場合もあるじゃん。「寄生獣」とかそうじゃない?もともとは人類への警鐘みたいなノリだったのに、途中で、人類が人類への警鐘をならすことへのツッコミ、みたいな話になったじゃん。そのままつきつめたほうがよかったのに。
[イチドウ]:あれはあれで好きなんだけどさ。ああ、だからお前連載マンガ嫌いなのか。
[サワムラ]:連載ってどうしても話ひきのばす方向にいくじゃん?まどろっこしくてつきあいきれん。先に何巻までなのか分かってないと、そんなにヒマじゃねえよ、っていうか。今から読むなら、完結してるマンガが基本だな。完結してるマンガでお勧めのって何?
[イチドウ]:ご近所物語かな?
[サワムラ]:ああ。それはまだ読んでないけど、「ナナ」はいいねえ。青少年マンガとは、会話の練られ方が全然違うよ。青少年マンガに出てくる女は、いまだに語尾に「わ」とかつけてやがるからな。昭和かよ。
[イチドウ]:ほう。昭和を古いものの代名詞に使うとはなかなか。でもやっぱりマンガ界で会話に謎があるといえばあれでしょ。小池一夫。あれ、なンなンだろうね。
[サワムラ]:あれは衝撃だったね。エロス&バイオレンスって書いてあるンだけど、これぞまさに看板に偽り無し!って感じだよな。他の要素一切なし。
[イチドウ]:エロスって、あれ、逆になえるよな。でもそこが面白いンだけどさ。すげえ微妙なとこついてるよな。ねらってるンかね。
[サワムラ]:本人が狙ってるとは思えねぇけど。弟分にあたる池上遼一は?熱いよなあ。
[イチドウ]:マンガ史上最もインパクトがあるキャラクターを作り出した池上遼一はえらい。
[サワムラ]:「なんで濡れねえんだ、このアマは、オラー!」って。訴えられるぞ。
[イチドウ]:あれよりインパクトのあるキャラクターいるか?
[サワムラ]:ありえねぇな。最後まで生き延びるし。インパクトのあるサブキャラってさ。大抵死ぬじゃん。生き延びた渡海さんはやっぱり強ぇよ。
[イチドウ]:ほかにいねえなあ。じゃ、漫画化史上もっとも美しかった女性キャラって誰だ?
[サワムラ]:もっとも美しい女性として描かれていたのはメーテルだと俺は思う。画力に問題があったのが残念でならないが、美しそうさはすごく出てるよ。
[イチドウ]:美しいって感じじゃないけどタイプとしては18号。
[サワムラ]:ああ。あれはデザインいいねえ。あとは?
[イチドウ]:また矢[サワムラ]あいだけどさ。「パラダイス・キス」で主人公が舞台にはじめて立つシーンあったろ?あれは結構目がくらんだ。
[サワムラ]:ああ。確かに気合の入った絵だね。でも、ちょっと気合が入りすぎで、美しいというよりは、よくできているという感じかな。
[イチドウ]:なるほど。ま、マンガにどこまで思い入れを持てるかっていうのは人によって違うもんナ。俺は何しろマンガで・・・。いやいや、これは言えん。
[サワムラ]:自分だけだと思うなよ。ってまあ、ちょっと話題の矛先、変えようぜ。ストーリーで好きなのは?
[イチドウ]:ベルセルク!あれに関しては最近は絵も抜きん出てるぞ。ファルネーゼ様は美しいぞ。
[サワムラ]:ありゃすげぇな。ストーリーが今後どうなっていくのか、すごく楽しみだ。似てるけど、俺は「カムイ伝」だな。
[イチドウ]:似てるか?
[サワムラ]:ほとんど全ての登場人物が、あれだけ詳細に、愛を込めて描かれたあとで、ああなるわけじゃん。
[イチドウ]:ほかにストーリーがすげえのは・・・。あ、もちろん「二十世紀少年」かな。
[サワムラ]:うーん。まだ二十世紀少年はわからんな。どう終わるかによっては、駄作にもなりうるでしょ。結局は終わり方だと思うんだよ。ストーリーって。ほら。ひどい終わり方するマンガ、多いじゃん?そういう意味では「墨攻」。すばらしい終わりかただ。
[イチドウ]:そういう意味ではやっぱり手塚治虫はすげえよな。常に終わり方いいもん。
[サワムラ]:そうか?未完ばっかじゃん。でも、「アドルフに告ぐ」は素晴らしかった。やっぱり連載より書き下ろしだよ。
[イチドウ]:連載もいいよ。ま、編集者があほだと駄作になると思うんだけどな。漫画家って連載してると絵が上達するよな。あ、ちょっと気がついたんだけど、絵のうまい漫画家でも、新しい連載を始めると、最初の方が、一個前のマンガの最後より下手なんだよ。どう思う?
[サワムラ]:それは単なるキャラクターの「書き慣れ」の問題だと思うぞ。俺は絵を描いてるからさ、思うんだけど、不思議なことに、絵ってのは、それまで手を抜いてたわけじゃないのに、描けば描くほどうまくなるんだよ。しかも、ブランクがあってもそんなに影響がねえんだ。楽器は一ヶ月ひかないともうグダグダになるけど、絵は一年ぶりでもなんかいける。
[イチドウ]:でも10年は無理だよな?俺、十年ぶりくらいにマンガを描いてみたら、愕然としたことがあって、それ以来描いてない。将来の夢は漫画家なのになー。やばいなあ。
[サワムラ]:そうかなあ。10年前の記憶を美化しているだけなんじゃねえか?俺は絵は下手にならないと固く信じている。あ。老化とアル中は別ね。
[イチドウ]:あ、アル中か?俺。
[サワムラ]:ははは。アル中だよ。漫画家だと誰だ?昔うまかったのになー、とか。いる?
[イチドウ]:いるかなあ・・・。途中で絵が突然下手になった人はいたけどさ。でも昔はかっこよかったのにアル中でバカボンになってしまった漫画家は知ってるよ。
[サワムラ]:絵の話をしろ。絵の話を。お前が「うまい」と思う漫画家は誰?
[イチドウ]:だって誰も信じてくれないんだもん、赤塚不二雄。昔はキムタクよりいけてたんだってば。
[サワムラ]:っていうか、今も俺、赤塚不二雄がどんな顔なのか知らねーし。どうでもいいや。
[イチドウ]:いやバカボンのパパと同じ顔だよ。あれ、似すぎだよ。あれでテレビに写るのは犯罪だわ。うまいと思うのは井上雄彦とか。あとは誰かなあ。
[サワムラ]:お。意外とど真ん中がヒットなんだな。アレは確かにうまいなあ。でも、この感覚、わかるかどうか分かんないけど、「せっかくマンガなのに」みたいなもったいなさを俺は感じるな。
[イチドウ]:劇画だからしょうがないちゃ、しょうがないが、それをいうと池上先生が・・・。なるほど。最近の人たちではナルトの人とか、ワンピースの人とか、うまいよなあ。でも、一個だけ嫌なことがあるんだよ。何だと思う?
[サワムラ]:何?
[イチドウ]:時々、どこからどこまでが手や足で、どこまでがスピード線なのか分からない絵があるんだよな。鳥山明のマンガにはそれが一度も無い。
[サワムラ]:ああいうのは、読む側の慣れもあると思うな。子どもの頃とか、北斗の拳、とばしてなかった?「こういう絵のはなんか違う」みたいなさ。
[イチドウ]:あー。あったねえ。おれが飛ばしてたのはバスタードだけどさ。
[サワムラ]:とばしてたマンガが、今読むとすっげえ面白かったりするんだよ。北斗の拳、今じゃ大好きさ。バスタードもいいよ。あ、絵の話でいやあ、どっちもそんなに「うまい」とは思わないけどね。
[イチドウ]:絵に関しては誰が好き?
[サワムラ]:うまいと思うのは「ゴリラーマン」と「よつばと」。あとは「スフィンクス」っていうマンガ。好きなのはジョジョ。エゴン・シーレを彷彿させるね。単行本の一話一話の間に一枚ぐらい、なんかカットみたいなのがよくあるじゃん?ジョジョのアレはすごい好きだ。
[イチドウ]:ゴリラーマンの絵、分かるんだけどさ。昔から培われた既成概念では、あの手の絵は「へたくそ」に分類されてしまうんだが。
[サワムラ]:そうかなあ。それはゴリラーマンの顔のせいだよ。あのマンガに出てくる顔のバリエーションと、かわいい女の子のバリエーションは、歴史的金字塔だと思うね。
[イチドウ]:やっぱりゴリラーマンを描きつづけなければいけないというフラストレーションがそういう部分の能力を上げたのかな?
[サワムラ]:それ、超ありえる。絵なんか描く奴はさ、どう考えたって「美しいモノ好き」なんだよ。
[イチドウ]:お前、マンガは書かないの?
[サワムラ]:うーん。俺が人に伝えたいと思っていることを伝えるのに、一番ぴったりくるメディアがマンガだ!ってヒラメキが降りてきたら書き始めるかも。でも、今はサーカスとか、素人あつめて楽器みんなで弾くとかのほうが、ぴったりくるんだよ。だから、まあ、とうぶん先じゃん?お前は?
[イチドウ]:メディアねえ。ま、分かるんだけどさ。俺はガキの頃からなりたいものナンバーワンが漫画家だからなあ。そのうちなるよ。
[サワムラ]:どんなマンガ描くの?
[イチドウ]:火の鳥大地編を完成させるよ。
[サワムラ]:じゃ、完成してから読むよ。未完はゴメンだからな。
[イチドウ]:途中で話にこまったら相談とかされたら一番キレルタイプ?
[サワムラ]:うーん。観客[イチドウ]加型は嫌いじゃないんだが、マンガじゃないメディアでやれよ。
[イチドウ]:「つづく」の先が多数決になってるのはやばいな。読者に毎回聞いてんの。「次回はクリリンが死ぬ?死なない?」とか。
[サワムラ]:ははは。それはマンガっていうより、ゲームブックだな。あ。ゲームブックって大好きだったんだけど。
[イチドウ]:ああ。俺作ってたよ。
[サワムラ]:作ってた作ってた。ファンタジー系?俺はSF系だったけど。
[イチドウ]:俺は推理系とかもつくってたけどさ。小学校五年生でクラスメート登場型のエロゲームブックを作ってた奴がいてさあ。あれは衝撃だったね。「うちに着くと中田が裸で待っていた。どうしますか。1、さわる。2、なぐる。3、友達を呼ぶ。」とか書いてあんだよ。絵と一緒に。ありゃやばいよ。
[サワムラ]:あはははは。ありえねえ。なんだよ、「友達を呼ぶ」って。そいつ今何やってんの?
[イチドウ]:本作ってるよ。
[サワムラ]:おお。天職ってあるんだなあ。俺もがんばろう。


【2005/09/29 23:26】 カテゴリ:焚火トーク
サワムラ×イチドウ vol.1 「3秒で人間への信頼を取り戻せるぜ」
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[イチドウ]:まずはお前の好きなものあたりから聞かせてもらおうかな。
[サワムラ]:俺はとにかく、サーカスが大好きなんだ。俺は「人間はすごい」って信じたいし、みんなにも信じてほしいと思ってるんだけど、やっぱりね、ときどきつらくなるんだよ。やっぱし人間はすごくねぇなあ、って思っちゃうときもあるわけよ。そんなときは、サーカス。3秒で人間への信頼を取り戻せるぜ。
[イチドウ]:ああ確かに、シルク・ド・ソレイユとか見ると、もう、下らないこと考えてる暇あったら何かを練習しようと思うよな。でも、俺もサーカス結構好きだけどさ、あのサーカス独特のメイクってあるじゃん?あれが相当にマイナスイメージを作り出してると思うんだけど、どう?なんか近寄りがたいと言うかさ。バレエとか、舞台芸術全般が同じ問題を抱えてると思うんだけど。
[サワムラ]:ああ、言ってることはわかるよ。確かに、やりすぎた衣装や演出は「人間があれをやっているんだ」っていうことを実感しにくくさせている。駅に貼ってあったアレグリア2の日本公演のサブタイトルがさ、「これはもう人間業じゃない!!」だったんだけど、ああいうバカなコピーにサーカスに携っている人間までもが鈍感になってしまっていることは、正直がっかりだった。「これが人間業だ!!」って書いて欲しかったな。
[イチドウ]:あそこまでの技術を身に付けるためにどのくらいの努力が必要なもんなんだろうか?
[サワムラ]:そうだなあ。一流どころのサーカス芸人は大抵、ウクライナか、中国か、まあ、そっちのほう出身なわけよ。やっぱり「個人の自由」を尊重してたら、なかなかたどり着けない境地ではあるわな。
[イチドウ]:それを超える幸せを芸人達は感じてると信じてるんだけど、そういう裏側ってやっぱりそこに入り込まないと見られないもんだよね。そういうの、見たことある?
[サワムラ]:ないな。ただ、こんなエピソードは聞いたことがある。かなり有名なサーカスの中でね、アマチュアバンドがあるんだよ。全員プロのサーカス芸人で、毎日命がけで綱渡ったり、ブランコから飛んだりしてるんだけど、仕事が終わってから、集まって、バンドをやってるんだ。日本の大阪公演のときに、夜中こっそりそこいらのライブハウスでライブやったらしいんだけど、お世辞にもこれがあんまし上手いとは言えないモノらしいんだ。なんか、そんなの聞くと、俺は泣くね。
[イチドウ]:ああ、泣くわ、それ。どんなに凄い人でもジャンルが違えば、普通にCD聴いてみたり、漫画読んで共感したりしてるんだな。
[サワムラ]:そう。なんか、自分のできることをがんばろう、って気にならない?俺が日本語の教材を作ってるときにも、そのことは考えたね。もしかしたらいつの日か、この本で日本語を勉強した人が、サーカス芸人の通訳として活躍するかもしれないんだ、とかね。
[イチドウ]:そんなに直接的じゃなくても、自分がやってることが回りまわってそんな奴らをも感動させてるかもしれないってことね。
[サワムラ]:そう。この視点をもったまま、サーカスを生で見てみな。感動の度合いっていうか、種類が全然違うぜ。ガツーンとくるよ。ガツーンと。
[イチドウ]:お前、映画見るときも似たような事考えてるだろ。
[サワムラ]:何見るときでもそうだな。作ってる側の製作秘話みたいなのがさ、頭の中でバーっとね、走馬灯っていうか、ドキュメンタリータッチで勝手に想像されるんだよ。で、そこで泣く。そんときのストーリーの進行とはほぼ関係なく泣く。横で一緒に見てる奴は気味悪いと思うよ。
[イチドウ]:あー、思い当たるフシあるある。でも、そういう想像力はニ番目くらいに大切なことだと思ってるよ、俺も。
[サワムラ]:結局のところ、本にしろ映画にしろサーカスにしろダンスにしろ、人間が作ってるもんなんだよ。俺は今、人間が作ったものを見ているんだ、っていうはっきりとした意識のもとで、そういうものを見て、なんていうか、俺は充電してるんだよ。
[イチドウ]:人間で充電か。なるほどね。
[サワムラ]:フレドリック・シクスマがね、ビクトル・キーを見て開口一番、「うわあ、こいつの彼女、かわいそうだなあ」って言ってるんだよ。それは、アクロバット軟体芸みたいなことをしながらジャグリングをする男性ストリッパーのような芸なんだけど。ちゃんと人間としての日常の延長としてサーカスを見ている発言に久々に出会えて、すごく嬉しかったね。
[イチドウ]:ああ、たしかにあいつの彼女はかわいそうだ。なんか変なことばかりが頭に浮かぶよ。それ、俺だけ?
[サワムラ]:まだ生でみたことないんだよ。ビクトル・キー。生でみたら、それこそすごい想像ができそうだな。
[イチドウ]:軟体芸の人たちってやっぱり、軟体芸同士でカップルだったりするもんなんだろうか?
[サワムラ]:ああ、サーカス芸人同士のカップルってのは多いんだ。で、子どももそのままサーカスで育つ。サルティンバンコに軟体芸核家族みたいなのが出てくるんだけど、あれは本当に家族なんだ。
[イチドウ]:通常の少年達は思春期になるまえあたりに、「兄ちゃん」やら「古本屋」から、裏性教育を学ぶじゃん。サーカスの人たちの常識は全く違うんだろうなー。ああ、なんか怖いよ。
[サワムラ]:動物もいるからね。調教師のお姉さんもいるぞ。
[イチドウ]:そういうビデオ、でてないのが不思議なくらいだな。
[サワムラ]:というわけで、そういうことをぜーんぶ考えながら、サーカスを生で見ることをお勧めするよ。サーカスの「近寄りがたさ」が、また別のものに見えてくるぞ。
[イチドウ]:バレエもですかね、やはり。
[サワムラ]:バレエはサーカスと違って、極端に少年率が低いですからな。やはり色々あるらしいですぞ。バレエの先生方は体型維持のために、子どもを産んでいないことも多いし。
[イチドウ]:想像が働きすぎるので話を変えませんか?
[サワムラ]:変えてもいいですが、サーカスとバレエの話はもう少ししたいな。俺はすごくサーカスもバレエも好きなんだけど、お前は結構とっつきにくい印象をもってるみたいじゃん。まあ、それは無理からぬことだと俺も思うんだけど。サーカスとバレエ以外に、俺がいいって言ってるもので、同じとっつきにくさを出しているものは他に何かある?
[イチドウ]:チンドン屋だろう。やっぱり。
[サワムラ]:ああ。そうか。そうだよな。そりゃそうだ。わかりやすいな、俺の嗜好は。
[イチドウ]:でも、サーカスは素直に凄いと思うし、結構好きだよ。バレエは見方が分からん、と言った方が適切かも。
[サワムラ]:見方もへったくれもないだろ。見てて楽しくないんなら、合わないんだろ。チンドンは?
[イチドウ]:チンドンは、カッコイイと思えるやつらが少なすぎるところが問題だ。いや、カッコイイやつらもいるよ、中には。ソウルフラワー・モノノケサミットとかさ。バレエは可愛い女の子を見て楽しむっていうの以外に、やっぱりストーリーとか分かってないときついと思うんだけど。
[サワムラ]:そうかなあ。見てりゃストーリーわかるんだけどな。わかんないのは振り付けが悪いか、やっぱり合わないかだろうな。
[イチドウ]:そういえば、最初から最後までちゃんと見たっていう記憶はないなあ。合わないのかね、やっぱり。それとも全部見てみようかな。
[サワムラ]:ダンスは好きだっけ?
[イチドウ]:大好き。
[サワムラ]:なら、月並みだけど白鳥の湖あたりからトライしてみるといい。色んな国のダンスが次々と出てくる場面なんか、なかなか音楽的にも楽しめるぜ。ダンスもテクニカルなことをやる場面が多いし。
[イチドウ]:一番いけてるバレリーナって誰?そっからだろ、やっぱり。
[サワムラ]:文句なしにマリ・クロード・ピエトラガラだな。あれは宇宙人が見てもうっとりするぐらいきれいだぜ。
[イチドウ]:お、地球代表が出てきたね。
[サワムラ]:出てくるよ。宇宙人にも分かる人間のすごさ。小説家じゃ申し訳ないけど宇宙人にはすごさが伝わりにくいもんな。やっぱ身体芸術でしょ。サーカス界からはビクトル・キー。ダンス界からはピエトラガラ。
[イチドウ]:アイシュワリヤ・ルーイーは?
[サワムラ]:むむむむ。採用。
[イチドウ]:何様だ、お前は。他には?
[サワムラ]:当然マイケル・ジャクソン。あとは手品界からMr.マリック。宇宙人も驚くぜ?
[イチドウ]:Mr.マリックのディナーショーだけは、絶対行きたいな。今も元気かな?マリック。
[サワムラ]:はやく宇宙人来てくれないと、このメンツで押し通すのは厳しいな。次世代からも候補者をさがしておくよ。
[イチドウ]:よろしく。それにしてもさあ、ディナーショー行きたいなあ。他にディナーショーで見たいのある?俺は全てのキャスティングが栗田寛一によるルパン3世トークライブが見てみたいんだけど。
[サワムラ]:何それ。ルパンも次元も銭型も声優が栗田寛一だってこと?
[イチドウ]:できそうじゃねえ?
[サワムラ]:それができたら栗田寛一も、いっこく堂に匹敵するな。期待しよう。


【2005/09/29 23:22】 カテゴリ:焚火トーク